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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生49巻1号

1985年01月発行

文献概要

特集 公衆衛生の歴史的発展と将来展望

地域保健・医療の変遷と将来の動向

著者: 田中恒男1

所属機関: 1東京大学医学部保健管理学教室

ページ範囲:P.40 - P.48

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■はじめに
 現在,日本の人口構造は,高齢化の方向に進みつつある.この事象を生んだのは,単に医療技術や医薬品の導入によるものではなく,生活環境や食糧事情などの改善によるところが大きいと考えられている.こうした事情を生んだ原因としては,日本が世界にさきがけて行われた科学技術の開発が主要なものといってよい.
 戦後約10年の間は,伝染病や栄養失調が目立っており,疾病構造も今日の社会での疾病構造と極端に異なっていた.しかし,その後,30年代になってから,生活条件も著しく改善され,経済事情も急速に向上してきた.特に朝鮮戦争をきっかけとして,第二次産業の発展が見られ,神武景気と呼ばれた状況を生んだ.こうして日本全体が急速に都市化し,農村でもサラリーマンが居住するようになり,また情報産業の普及につれて都市化が拡大していった.都市の周辺には,工場が集中し,農家の人々が農業を兼業として工場などに勤務し,生活も都市並みの生活に変っていった.こうした状況の中にあって,保健や医療がどのように変化していったかを,本論で説明する事としたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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