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調査報告
第一線離島医療と公衆衛生—離島医療の現況からの報告
著者: 長嶺敬彦1
所属機関: 1萩市大島診療所
ページ範囲:P.58 - P.64
文献購入ページに移動卒後2年間の臨床研修を終え,昭和58年6月より離島の診療所に赴任した.第一線の離島医療を実際に担当してみて,離島のかかえている数々の問題点に遭遇した.それらの多くのものは,現在日本の医療がかかえている問題であり,特別に離島ということにこだわるべきではない.しかし離島は海という境界線によりはっきりとしたテリトリーを形づくり,生活圏ひいては医療圏をも分析しやすい環境にあり,現代医療のかかえている問題の縮図としてとらえることもできよう.今まであまり目の向けられなかった地域であるが,疾病構造や医療制度を検討する上でのモデル地域としては,純粋性を保ち解析しやすいことから,研究対象としては非常に興味深い.離島医療は,慢性疾患の管理,老人医療,救急医療,学校保健などを包含し,公衆衛生活動を基盤にしたprimary careの実践の場としては,これ以上理想的な場所はあり得ないとさえ思われる.当診療所における実際の統計や症例を提示し,離島医療の現況を考察してみたい.
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