icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生49巻1号

1985年01月発行

文献概要

調査報告

第一線離島医療と公衆衛生—離島医療の現況からの報告

著者: 長嶺敬彦1

所属機関: 1萩市大島診療所

ページ範囲:P.58 - P.64

文献購入ページに移動
■はじめに
 卒後2年間の臨床研修を終え,昭和58年6月より離島の診療所に赴任した.第一線の離島医療を実際に担当してみて,離島のかかえている数々の問題点に遭遇した.それらの多くのものは,現在日本の医療がかかえている問題であり,特別に離島ということにこだわるべきではない.しかし離島は海という境界線によりはっきりとしたテリトリーを形づくり,生活圏ひいては医療圏をも分析しやすい環境にあり,現代医療のかかえている問題の縮図としてとらえることもできよう.今まであまり目の向けられなかった地域であるが,疾病構造や医療制度を検討する上でのモデル地域としては,純粋性を保ち解析しやすいことから,研究対象としては非常に興味深い.離島医療は,慢性疾患の管理,老人医療,救急医療,学校保健などを包含し,公衆衛生活動を基盤にしたprimary careの実践の場としては,これ以上理想的な場所はあり得ないとさえ思われる.当診療所における実際の統計や症例を提示し,離島医療の現況を考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら