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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生49巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 学校保健—心の健康づくりを中心に

心の健康づくりにおける学校医の役割

著者: 岩尾健次郎1

所属機関: 1大分県速見郡学校保健会

ページ範囲:P.757 - P.759

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■はじめに
 近年,子供の「心の健康」におけるさまざまな問題が社会的に注目を浴びている.毎日のようにマスコミに登場するいじめ,登校拒否,校内暴力,非行など子供の問題と,その背景にある家庭,学校,社会の諸問題は,我々学校保健に携わる者にとって切実な問題である.次の世代を背負って立つ子供たちに,より健康であってほしいと考え,またそのために実践するのが我々の義務であろう.筆者は学校医の立場から子供の「心の健康」について考え,「心の健康づくり」に何をなすべきかを自問する意味でもこの稿をお引き受けした.
 学校医の役割とは,学校における健康の保持増進である.健康の定義については,WHOの定義が有名であるが,この定義も時代と共に変わって,WHO自体がその不備を認め,新しく検討を始めているという.学校保健の保健教育の中で,健康の概念を習得させる事の意味は非常に大きい.即ち,「自分の健康は自分で守る」だけでなく,これは先祖からの伝受であり,子孫への伝達であるという縦の把握と,横の把握として,家庭,地域社会,国家,そして世界につながるという健康の縦横のつながりを,教育の中で理解させる事が要求されるわけである.学校医もこの要求に基づく保健活動が求められているわけであるが,現実的には学校医の職務として学校保健法施行規則第23条で,下記の事項が挙げられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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