icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生49巻8号

1985年08月発行

文献概要

特集 死と公衆衛生

地域のなかで死を看とる—8年間の歩みを通じて

著者: 鈴木荘一1

所属機関: 1鈴木内科医院

ページ範囲:P.526 - P.532

文献購入ページに移動
■はじめに
 第二次大戦の連日空襲下という熾烈な環境の中で民俗学者柳田國男は,日本人の本来いだいていた「死」の問題を,「先祖の話」として書き上げた.その中で彼は,「死の親しさ」の項1)で,次のように述べている.
 「どうして東洋人は死を怖れないかということを,西洋人が不審にし始めたのも新しいことではないけれども,この問題にはまだ答えらしいものが出ていない.怖れぬなどということはあろう筈がないが,その怖れにはいろいろの構成分子があって,種族と文化とによってその組合せが一様でなかったものと思われる.生と死とが絶対の隔絶であることに変わりはなくとも,これには距離と親しさという二つの点が,まだ勘定の中に入っていなかったようで,少なくともこの方面の不安だけは,ほぼ完全に克服し得た時代が我々にはあったのである」.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら