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調査報告
高齢者の歯科衛生の実態と生涯保健事業の推進
著者: 新庄文明12 多田羅浩三3 朝倉新太郎3 安積宗4 池田昭江4
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学教室 2南光町歯科保健センター 3大阪大学医学部公衆衛生学教室 4兵庫県佐用郡歯科医師会
ページ範囲:P.623 - P.627
文献購入ページに移動地域における歯科保健活動は従来,母子保健活動を中心として推進されてきた.近年,幼小児の歯科衛生の改善がみられる中で,障害児の歯科治療への積極的な取り組みも各地で進められている.しかし,成人の障害者やねたきり老人が,生活している地域で必要な歯科治療を受けられるところは決して多くない.口腔状態の改善は全身状態,ひいては生命にとって極めて重要な役割を持っているにもかかわらず,障害者や高齢者の多くは口腔機能改善のための歯科治療を受ける機会もないまま,不十分な食生活を余儀なくされているのではないかと考えられる.ねたきり老人や高齢者の歯科衛生については実態すら十分には把握されていないのが実情であろう.
日本歯科医師会も「一生自分の歯で食べよう」をスローガンとして,生涯を通じた歯科保健を重視してきているが,その活動を定着させるためにも,地域において具体的な取り組みを積み重ねる中で,高齢者の歯科衛生の実態や歯科保健事業推進の方法を明らかにしていくことが重要であろう.
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