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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生5巻2号

1948年12月発行

文献概要

資料

輸入食糧のビタミンB1含有量と調理によるその變化

著者: 川崎近太郞1 可兒利朗1

所属機関: 1公衆衞生院

ページ範囲:P.91 - P.94

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Ⅰ.まえがき
 今日の日本では食糧の不足を連合軍の好意による輸入食糧によつて補つてゐるのであるから,都會人農村人共に輪入食糧に依存している。殊に都市では時期によつて配給食糧の50%以上が輸入食糧であることもあり,全體として約20%は輸入食糧である。從つて吾々は輸入食糧の榮養價や調理方法竝に調理による成分の變化は大なる關心を持つのである。輸入食糧の種類は多くは米國に於て使用される場合には適當に加工製品化されているが,現在の輸入食糧は大部分原料食品の儘,或は簡單な加工のみで配給されるから各家庭に於ける調理加工方法によつて榮養價にも變化を生ずる。從つて輸入食糧の調理方法や指導が重要視される所以であつて,これに對する委員會が組織されている。日本在來の主食である米麥の調理は炊飯が主であつて比較的簡單であるに反し,輸入食糧は蒸す,焙く,煮るだげでなく重曹等の藥品處理をも伴うことがあるので調理による變化も複雑である。ビタミンB1に就て考えても米麥では搗精による損失は搗精度の制限で最少限に出來るから,淘洗炊飯によるB1の損失はかなり一定している。輸入食糧の場合には配給されたもののB1含量に於いて米麥に劣らぬものであるが,調理方法の如何によつては著しいB1の損失を起すこともある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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