公衆衛生5巻6号

1949年04月発行

原著 最近における寄生蟲の諸問題・1

學術研究會議傳染性疾患研究特別委員會寄生蟲科會報告

蛔蟲驅蟲より再感染迄の觀察／蛔蟲再感染に關する研究

著者： 矢島敏夫¹ 森下薫²

所属機関： ¹慶應義塾大學醫學部寄生蟲學教室 ²大阪醫科大學微生物研究所

ページ範囲：P.318 - P.324

文献概要

　昨年2月より略々中位の生活を營める家族を毎月數組宛，基礎檢査後投藥し，蟲卵陰性者を投藥日より換算して10日目毎に檢便し，排卵日を以て感染とみなした。檢査はすべて塗抹法を矢尾板式遠心沈澱法を併用した。檢査總人員は1月現在41家族227名で，本抄録では1月末現在で感染可能圈内に這入つた26家族127名に付き述べた。
　〔實驗成績〕Ⅰ　1）驅蟲藥投藥前蟲卵陰性者39名中10名（25.6％），2）驅蟲藥投藥前蟲卵陽性者88名中63名（71.6％），合計73名（57.4％）が感染した。