icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生5巻7号

1949年05月発行

文献概要

研究と資料

マラリアの地域的偏在に關する一考察

著者: 細井輝彦1

所属機関: 1東京都衞生局防疫課

ページ範囲:P.405 - P.409

文献購入ページに移動
 本邦の土着性マラリアが水田地帶に多いことは,一般に認められているところであるが,水田地帶ならどこでもマラリアが多いかというと,決してそうでない。東京都の水田地帶は,荒川と江戸川との流域で,足立・葛飾・江戸川・板橋の4區にまたがるものが最大であり,これに次いで北多摩・南多摩の多摩川流域がある。ところで近年の都内マラリア新感染は,過半數が江戸川1區のみからでており,しかも同區の南半東寄りに集中されていて,その他の水田地帶では少數が平均に散在しているに過ぎない。
 このような水田マラリアの地域的偏在は,どうして起るのであろうか。マラリアの浸淫度を支配する因子としては當然,住民と蚊族の兩方を考えねばならない。しかし住民の生活状態に關する限り,江戸川區は他の水田地帶と大差ない。從つて問題は傅播蚊たるAnophelesの發生状況にかかつてくるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら