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片山地方に於ける淡水産魚類を中間宿主とする吸蟲類被嚢幼蟲の研究
著者: 三好浩1
所属機関: 1日本寄生蟲病研究所
ページ範囲:P.473 - P.476
文献購入ページに移動近時我が國に於ける寄生蟲學に關する知見は目覺しき進歩發達をみ,就中吸蟲類に就ては明治の後期1904年桂田博士に依り日本住血吸蟲の發見以來肝臟ヂストマ,横川吸蟲等重要なる吸蟲類の發育史陸續として發表せられ,幾多學徒の精進愈々顯著なるものがあつた。
斯くて吸蟲類の人體感染に關する豫防對策は,自ら釋然たるものがあつたが,這般の長期戰禍に因る我が國食糧情勢は,吸蟲類を中間宿主とする淡水産魚類をも汎く好んで食用に供せらるる状況になり,若し夫れ是等魚類を不完全なる調理に依り食膳に供せば容易に感染し,因て以て有害吸蟲類の蔓延することは亦當然首肯し得る所である。
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