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特別寄稿
水俣病対策の新たな展開に向けて
著者: 篠崎英夫12 西山正徳3
所属機関: 1前 環境庁環境保健部特殊疾病対策室 2現 静岡県衛生部 3環境庁環境保健部特殊疾病対策室
ページ範囲:P.754 - P.760
文献購入ページに移動昭和31年5月1日,熊本県水俣市にある新日本窒素肥料(株)附属病院長細川一は,水俣保健所(所長:伊藤蓮雄)に,原因不明の奇病が発生したと報告を行った.この日をもって水俣病の公式発見と呼ぶ人もある.さすれば,本年5月1日は,ちょうど30年目を迎えたことになる.
この間,環境庁をはじめとして関係県市,そして医学者の努力にもかかわらず,今日をもってしても水俣病問題は解決していない.しかしながら,本年からスタートした特別医療事業や検診,審査体制の強化策等,少しずつではあるが,水俣病対策は前進してきており,これら施策は,水俣病対策の新たな展開の第一歩として,評価できよう.
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