icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻12号

1986年12月発行

文献概要

特集 家族

公衆衛生における家族療法的アプローチ

著者: リンダ・ベル1 福山和女2 阪上裕子3

所属機関: 1国立精神衛生研究所 2日本社会事業大学 3国立公衆衛生院

ページ範囲:P.823 - P.828

文献購入ページに移動
 ■はじめに
 家族療法は,教育現場および心理・精神療法の分野において,最近とくに注目を浴びてきた興味深い療法である.家族療法は,家族のなかの各個人の相互の関わりを認識することを基本としている.家族とはひとつの組織だったシステムであり,各家族メンバーは,それぞれ独自の感情・思考・行動をもっている.それが,他の家族員との関係のなかでさらに複雑になり,補完的な方法で関わりあっている.どの家族メンバーの行動も他の家族メンバーに影響をおよぼし,そしてそれが順に他の家族メンバーの反応をひきだす.このように,家族メンバーはそれぞれ循環的に影響しあっている.
 家族メンバーの性格と,相互作用・交流が家族パターンをつくりあげる.ある個人を理解するにはその人の家族パターンを理解する必要がある.その人がその家族にどのように適合し,またその人の性格や行動あるいは症状や問題となっていることが,その家族のパターンのなかでどのように機能しているかを見るのである.症状・問題は,家族パターンに対するその人の反応であると同時に,家族パターンを維持するための手段ともいえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら