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日本列島
肺がん検診
著者: 井口恒男1
所属機関: 1岐阜県衛生環境部
ページ範囲:P.95 - P.95
文献購入ページに移動がん死亡が第一死因となって数年経過しているが,がんの中でも肺がんが最も増加傾向にあることは全国共通のようである.がん発生のメカニズムが解明されつつある中で,発生因子もしぼられつつあり,一次予防策も重視されているが,一般にはがん予防の柱は二次予防としての早期発見,早期治療のようである.すでに胃がんや子宮がんについては,検診方法が定着しており,老人保健法にも採用されている.肺がんは種類によっては早期発見の可能性の低いものもみられ,偽陰性例の発現が高いとみられることから,肺がん検診を疑問視する専門家も多いようである.
肺がん検診と銘打って実施しているところは全国的にも各地にみられるが,早期発見,早期治療につながる効果がみられる一方,進行がんの発見,偽陰性の出現,検診費用の増大などマイナス評価の面も見逃がせない.
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