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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻3号

1986年03月発行

文献概要

衛生公衆衛生学史こぼれ話

22.ペスト菌発見の先陣争い

著者: 北博正12

所属機関: 1東京都環境科学研究所 2東京医科歯科大学

ページ範囲:P.170 - P.170

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 ペストは古くから恐れられていたが.インド地方に発し,13世紀には十字軍の遠征を機にヨーロッパに侵入し,全ヨーロッパの人口の1/3,14世紀には1/4が犠牲になったといわれる.わが国は島国のため.ペストの侵入は明治32年(1899)にはじまり,明治年間に患者2,521,死者1,217を出し,大正年間には患者394.死者239,計:患者2,915,死者1,456と致命率はきわめて高い(昭和に入ってからは患者は発生していない).
 明治27年(1896)香港にペストが大流行したので,政府は調査団を此地に派遣した.一行は内務技師北里柴三郎(Robert Kochの高弟,明16東大卒1851〜1931),東大内科教授青山胤通(北里の1年先輩1858〜1917),北里の助手として海軍軍医石神亨,これに東大4年生木下正中(のち東大産婦人科教授明27東大卒)に,現地で開業の永原医師であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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