icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻3号

1986年03月発行

文献概要

衛生公衆衛生学史こぼれ話

23.ペストとネズミノミ

著者: 北博正12

所属機関: 1東京都環境科学研究所 2東京医科歯科大学

ページ範囲:P.189 - P.189

文献購入ページに移動
 香港のペスト流行の際にペスト菌が発見されたが.それと前後して台湾でペストの流行があり,東大衛生学の緒方正規,同病理学の山極勝三郎の両教授は現地に出張したが,緒方は斃鼠についていたノミ(Zenopsylla cheopis)の体内にペスト菌を発見,これを健康なネズミに接種してペストを発生せしめ,ペストがネズミに寄生するノミによって媒介されることを,きわめてスマートに証明した(明30,1897).この発見は防疫上もきわめて重要なもので,衛生・細菌学領域で重要な寄与をした日本人として,1)北里:破傷風免疫血清療法,後のベーリング(Emil A.von Behring 1854〜1917)・北里のジフテリア血清療法(1890)は破傷風に対するものと同じアイデアである.2)緒方:ペスト媒介動物であるノミの発見,3)志賀潔:赤痢菌Shigella dysenteriaiの発見が挙げられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら