文献詳細
文献概要
衛生公衆衛生学史こぼれ話
25.タイフォイド・メアリー
著者: 北正博12
所属機関: 1東京都環境科学研究所 2東京医科歯科大学
ページ範囲:P.278 - P.278
文献購入ページに移動彼女は1901年,腸チフスに罹患,雇われ先でコックをしていたが,1ヵ月後にこの家の洗濯女が腸チフスにかかった.1902年,彼女は別の家に移ったが,2週間後に洗濯女が腸チフスにかかり,1週間後にこの一家から7名の患者が出た,1904年,彼女はロング・アイランドの某家(家族4人,使用人7人)に移ったが,3週間のうちに4人の使用人が罹患した.1906年,他の家に移ったが,11人世帯中6人が8月27日〜9月3日の間に罹患して,この時初めて,メアリーに排菌者の嫌疑がかけられた.9月21日,別の家に移り,10月5日に洗濯女が発病した.1907年ニューヨーク市の某家に移ったが,2名の患者が出てうち1名は死亡した.この5年間にメアリーは腸チフス26件の原因であることが知られている.
掲載誌情報