icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 保健・医療情報の活用

保健・医療情報とプライバシー

著者: 里村洋一1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院医療情報部

ページ範囲:P.332 - P.336

文献購入ページに移動
■プライバシー保護の認識
 情報処理技術の進歩と社会への応用が盛んになって,様々な個人のデータが,世の中に流通しやすくなった.それに伴って,この10年ぐらいの間に,プライバシー保護の問題が,にわかにクローズアップされることになってきた.元来,医療は,個人の最もプライベートな部分に立ち入る形の活動であるから,何ものにも先がけて論じられてしかるべきであると思われる.しかし,現在のところこの点が声高に議論に上る事はあまり多くない,公的機関が個人の情報の管理を行う事には,かなりの警戒感が社会にあって,マスコミにも取り上げられる事は多いのに比べると,ちょっと不思議な気もする.
 しかし,これには理由がある.元々,プライベートな活動である医療であるが故に,その記録やデータ保護に関しては,法的にも,比較的明瞭に規定されてきており,機密の漏洩に関しては,罰金刑がはっきりと示されているのである(医療法第5条,第73条).一般社会にも,医療関係者は患者の機密を洩らす事はないという信頼感が定着しているように思える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら