icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻8号

1986年08月発行

文献概要

調査報告

風疹とそのワクチンに関する青年市民の意識

著者: 阿部ジョアナ1 中園直樹1 新野峰久1 近藤喜代太郎1 福地保馬2 石塚百合子3 黒沢和夫4

所属機関: 1北海道大学医学部公衆衛生学教室 2北海道大学教育学部保健体育 3北海道大学医療短期大学部看護学科 4藤女子大学

ページ範囲:P.568 - P.571

文献購入ページに移動
●はじめに
 風疹(別名3日はしか)は風疹ウイルスによる急性の発疹性疾患で,小児を中心に周期的に流行するが,一般的には軽易な疾患である.しかし免疫をもたない妊婦が妊娠初期に顕性,または不顕性に罹患すると高率に流・死産をひき起こす.また先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome)といわれる障害児を出産するといわれ,そのための人工妊娠中絶などの妊娠被害が社会的問題1)となる.これらの防止を目的に風疹ワクチンの開発が進められ,1977年秋から女子中学生,主に3年生を中心に定期的予防接種が実施されている.すなわち政令では「13歳に達する日の属する年度の初日から15歳に達する日の属する年度の末日に至る期間」の女子を対象2)としており,対象に入らない者は予防接種を受ける義務はないとされている.一方,女子を対象としているために男子に対しては,ワクチンの接種および風疹に関するオリエンテーションがあまり行われていないのが現状である.
 また医療従事者(医師,看護婦)では風疹に特別の配慮が必要である.患児やCRS児の治療や看護からの自らの罹患の危険性と,自らが新たな感染源となって妊婦を感染(顕性,不顕性)させる院内感染の危険性である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら