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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生50巻9号

1986年09月発行

雑誌目次

特集 老人問題と公衆衛生

高齢化社会—その展望と課題

著者: 菱沼從尹

ページ範囲:P.576 - P.580

■高齢化社会の展望
 1.高齢社会と高齢化社会
 国連資料(Population Studies, No. 26)によると,総人口に対する65歳以上人口の割合が4%未満の人口を「若い(young)人口」,4%以上7%未満の人口を「成熱した(mature)人口」,7%以上の人口を「高齢の(aged)人口」と呼ぶことを提唱している.筆者はこの割合を,人口学者の呼称とは違うが,人口の「加齢指数」と呼ぶことにしている.
 さて,加齢指数が4%未満を「若い人口」と定義するのは異存がないが,7%をもって「高齢の人口」とするのはいささか低すぎるような気がする.たとえば,1900年に加齢指数が8%を超えていた国はスウェーデン(8.37%)とフランス(8.20%)の2国にすぎなかったことを考えて,8%を基準にとることも一つの方法であろう.しかし,それでもまだ低く,人口の加齢に伴う困難な問題は明確にでてこない.

高齢者とその公衆衛生的対応

著者: 岡田博

ページ範囲:P.581 - P.586

■はじめに
 "老人と公衆衛生対応"というテーマの御依頼ですが,老人という言葉は筆者はなるべく用いないことにしていますので"高齢者"を使いたいと思います.
 衛生公衆衛生的な対応に相当する事項は,わが国にあっては古くより存在していました.鎖国であった徳川時代末期には既に種痘も行われていましたし,明治になってからは,内務省に衛生局が設置されて,当時の重要な疾病であった天然痘,ペスト,コレラなどの外来伝染病や種々の伝染病に対して予防防疫処置がとられていたし,その後大正,昭和に至るまで,多くの急性伝染病の予防,職業衛生,労働衛生,その他の対策にかなりの業績が挙げられてきたのは周知の通りです.

老人医療の特殊性

著者: 吉川政己

ページ範囲:P.587 - P.592

■はじめに
 老人医療を包含する医療・保健は,戦後急速な変化を示して発展を続けている.戦後の急速な科学技術の進歩は,社会のあらゆる方面に大きな影響を及ぼすと同様に,とくに生物科学の進歩に伴って,医療・保健に関係の深い医学の分野に著しい進歩をもたらしている.またこのような科学技術の発展は,必然的に思想・文化・日々の生活や人々の常識に大きな変革を及ぼし,このような心理・社会的な面からも医学・医療に大きな影響を及ぼしている.これらの基盤のうえで,わが国でも現実となって進行している社会の高齢化は,医療とくに老人医療のうえに大きな影響を及ぼしている.人口構成,種々の疾患統計の著しい変化で明らかなように,老人医療の医療全般における割合は,1年ごとにより大きなものとなってきている.この論文では,このような老人医療の特殊性1)について,とくに代表的な成人病・老人病の課題に問題をしぼって解説することとしたい.

老人の食生活

著者: 小池五郎

ページ範囲:P.593 - P.597

■教育レベルが高い?
 「老人の食生活」について語るにあたって,まず「現在の日本の老人(高齢者)」が平均的に持ち合わせている特異な属性について考えてみよう.
 二十世紀も終わりに近づいた現在,地球上には約170力国もの国々がそれぞれの地域を確保し,そこにはそれぞれ異なった風俗と習慣をもつ人々が生活を営んでいる.それらの中で,「日本はキラキラ輝いている国である」といった人がいる.それは,現在の日本人の平均的な生活レベルが高いことをいっているようである.「90%が中流意識をもつ」という実態がその裏付けとなっているのであろうが,その日本に半世紀以上も住み続けて,生活レベルの激しい変動を経験してきた現在の高齢者の目からみれば,おそらくほとんど当たり前とも思える次のような諸現象が,キラキラと輝く原因になっているとされる(表1).

高年齢と心身の機能

著者: 斉藤一

ページ範囲:P.598 - P.604

 ■はじめに 60年簡易生命表によると,日本人の平均寿命は男性74.84歳,女性80.64歳で,世界ではじめて女性の平均寿命が80歳の大台にのった.一方,65歳以上の老年人口比率は,ヨーロッパの国々ほどではないが,60年国勢調査の速報では10.2%と,10人に1人が65歳以上の老人という高齢社会になっている.この高齢化のテンポはわが国の場合,世界でも最も速く進行してきたが,それは出生率と死亡率の低下によっている.
 このような長寿社会は喜ぶべきことであるが,老人の自殺の増加やひとり暮らし老人,寝たきり老人など,行政の老人福祉施策が要請される問題を生む一方で,労働行政の面でも国は高年者のニーズに対応する施策として,本年10月1日施行の法改正を行い,定年を少なくとも60歳まで引き上げるよう事業主の努力義務を規定したほか,定年退職者やその他の高年者の能力と多様なニーズを考え,国が55年以降補助対象として全国の特別区・市町村各単位で,おおむね60歳以上の高年者の自主的運営組織として設立され,既に全国で266ヵ所を数えるシルバー人材センターを同法によって認知し,高年者の雇用によらない短期的,かつ臨時的就労についての規定が含まれている.

地域における保健・医療・福祉サービスの組織的展開—高齢者の在宅ケアをめぐって

著者: 藤林千春 ,   朝倉新太郎

ページ範囲:P.605 - P.610

■はじめに
 人口の高齢化が急速に進む中で,高齢者がもつ生活上,健康上のもろもろのニーズに応えて,どのようなサービスをどのように供給するかという問題は,今世紀から来世紀にかけての最大の社会政策課題である.
 とくに,これまで,問題をかかえる高齢者は施設に収容してケアすることに重点をおいて構築されていた地域の高齢者ケア体制を見直し,在宅ケアに力点をおいた包括ケア体制に切り替えようという考え方は,総論ではともかく,実際面ではなお多くの障害をかかえている.

高齢者の市民的自立とコミュニティ

著者: 倉沢進

ページ範囲:P.611 - P.614

■市民的自立と生活上の自立
 これまで人間の自立が問題とされてきたのは,一般に女性の自立という文脈においてであった,そこでは自立の二つの側面として,経済的自立と精神的自立が区別されてきた.女性は経済的に男性に依存しているために,すなわち経済的に自立していないために,精神的自立がなかなか達成されない.だから目標である精神的自立の達成の早道は,まず経済的自立を実現することが何よりも大切である,というものであった.物事はこのての女性解放論者の考えるような単純なものではあるまい.ここでは与えられた課題である市民的自立と,人間の自立のもう一つの側面である生活上の自立という概念を追加して考えておこう.
 生活上の自立とは,寝食や身の回りのことを自分で処理できるかの問題である.女性解放論の文脈では,男性が生活上自立していないために,女性の自立が阻まれていることが問題とされてきた.高齢者の生活上の自立を問題とするときは,加齢に伴う身体能力の低下という,女性解放論の文脈では登場しなかった要因が加わるので,問題は複雑となる.壮年期においても生活上の自立が必ずしも達成されていなかった男性と,それが十二分に達成されていた女性の場合,あるいは年齢による身体能力の低下の度合の差異,あるいはさまざまな個人差等があって,いちがいには議論できない,生活上の自立の程度は非常にまちまちであるわけである.

老後の生活設計

著者: 上原千寿子

ページ範囲:P.615 - P.619

■はじめに
 少し資料は古くなるが,筆者は生活問題研究の一環として,1980年の4月から6月まで,豊田市に住む55名ほどの老人の生活史調査に取り組んだことがある.
 わが国の産業優先の高度経済成長政策による生活基盤の崩壊は,国民生活そのものを大きく変化させ,様々な生活上の問題を生み出すことになったといわれる.それが実際にどのような過程をたどり,現在どのような事態を引き起こしているかを,私たちは高度経済成長期に急成長を遂げた日本の自動車工業,中でもトヨタ自動車工業を擁する豊田市に住む老人たちの生活史を克明に追うことによって,分析しようと試みたのであった.

高齢化社会の社会保障

著者: 江見康一

ページ範囲:P.620 - P.624

■加速化する高齢化の進行
 昭和60年の国勢調査の速報によれば,65歳以上人口(老年人口)の総人口に占める比率は10.2%と推定されている.昭和45年に,7.1%と7%を超えて高齢化社会の仲間入りをして以来,50年=7.9%,55年=9.1%,60年=10.2%とその進行は急ピッチである.比率の増加は,もちろん絶対数の増加であり,第二次大戦直後の昭和22年に375万人であった老年人口は,今や1,240万人と3.3倍にもなっている.昭和45年と60年とを比べても,その間の人口増加1,636万人のうち3割は65歳以上と増えているのである.
 老年人口の増加は,経済的には少なくとも次の二つのことを意味する.一つは,仮に65歳で定年退職し,あとは年金生活をするものとすれば,それまでの働いて扶養する立場から扶養される立場に移ることになる.だから老年人口の増加は,社会全体の扶養・被扶養の関係に影響を与える.このことは公的年金の財政を考えればわかりやすいであろう.年金財政は,保険料を拠出してくれる人数(分母)と,年金を受け取る人数(分子)との関係でもあり,この分母・分子の関係(成熟化率と呼ばれる)は,高齢化によって変化する人口問題の投影でもある.端的にいえば,高齢化が"老若関係"に新たな問題を提起することになる.

発言あり

実年

著者: 加納克己 ,   大塚知雄 ,   渡部正 ,   久常節子 ,   生田恵子

ページ範囲:P.573 - P.575

地球規模で増えていく
 わが国の平均寿命は世界最長であり,人生80年時代となり,人生わずか50年という言葉はいまや死語である.50代は老年ではなく,60代の人でも自分は老人だと思っていない人が結構いるのではないかと思われる.ヒトが生物体である限り.老いはさけることができないが,老化の程度は個人差が非常に大きい.筆者もあと数年で50代をむかえるのだが,老年の域に入るという感じは全くない.腰が曲がってきたわけでもないし,白髪がとくに目立つということもない.他人がどのように思っているのか知らないが,30代の意識をもち行動している.体力的な衰えは認めざるを得ないが,精神的にはまだ若いつもりでいる.このような状態であるのに,あと数年で他人から「老年」という言葉を用いられたりしたら,よい気分ではない.「実年」のほうがよいにきまっている.この言葉が広く用いられるようになるには,かなりの年月を要するであろうが,定着させてほしいものである.
 いまや,わが国は色々な分野で国際化が進み,国際交流も盛んであるが,いまほど日本が国際的に注目されていない頃に,ある友人が医学とは全く関係のない外国人から「日本ではどのような病気が多いのか」と質問され,成人病を文字通り,adult diseaseと訳し,「日本では成人病が多い」と答えたら,その外国人はとんだ間違いをしたということを話してくれたことを思いだす.

調査研究

健康意識と行動(1)—面接による全国調査結果の解析

著者: 森本兼曩 ,   遠藤弘良 ,   川上憲人 ,   三浦邦彦 ,   丸井英二 ,   金子哲也 ,   星旦二 ,   近藤忠雄 ,   新野直明 ,   今中雄一 ,   茂呂田七穂 ,   郡司篤晃 ,   小泉明

ページ範囲:P.628 - P.636

■はじめに—調査の背景と目的
 公衆衛生活動は今や,大学・研究所を中心としたいわゆるbiomedicalな基礎研究や疫学研究,国・地方自治体レベルの健康政策に関わる諸活動,あるいは保健所や病院・診療所を中心とした第一線の公衆衛生実践活動等,極めて広範,多岐にわたって展開されている.これらの諸活動の共通課題は集団あるいは個人のレベルでの「健康」である.つまり,公衆衛生活動の対象は,疾病とそれに対応した医療施策という静的なものから,「健康」というより包括的なものに移りつつある現在,公衆衛生活動機構並びに政策の質そのものも,このような目的に合致した形に大きく転換しつつあるといえよう.例えば,今回,ここに報告する全国健康意識調査の結果,国民の80%が,自ら「健康」な状態にあると考えている一方で,健康に不安を持っている人が75%と高率に存在する事実も知られた.このような「健康」の質とはいかなるものであろうか.
 本調査研究はこのような観点から,具体的な公衆衛生活動を展開する際の基本である国民の健康状態を,従来とられてきたような医学的検査値の集団分布から「異常」,「正常」を判断するレベルを超えて,むしろ個々人が主体的に自らの健康状態を判断する,いわゆるsubjective (perceived) healthをなるべく包括的に把握する事を目的に実施された.具体的には,健康意識・志向,健康態度(いわゆるhealth attitudes),そして健康行動の三つのレベルで面接調査を行った.

レポート

高齢化社会の健康問題(2)—高齢化に関する第3回日米国際会議報告

著者: 重松逸造 ,   細田裕

ページ範囲:P.625 - P.627

●はじめに
 Osteoporosis(Op)分科会は,前日(昭和60年11月12日)の全体会議における折茂肇助教授(現東大老年病学教授)及び重松のOpに関する日本の現状報告に引き続き,その後2日間にわたって開かれた.本症の世界的動向については,全体会議における上記の報告と,Dr. Steven R. Cummings(Assistant Professor of Medicine and Epidemiology, School of Medicine, University of California, San Francisco)の提出した資料"Epidemiology of osteoporosis and osteoporotic fractures"(Epidemiol. Rev. 7:178-208, 1985)とによってほぼ明らかにされた.この分科会ではDr. Richard Wasnich(Director, Department of Nuclear Medicine, Kuakini Medical Center, Honolulu)と重松が座長となり,10名近い出席者が各自の経験をもとに活発な討論を行った.すなわち,米本土グループから上記のDr. Cummingsのほか,Sandler女史,KuakiniグループからDr. Ross,Dr. Reed,矢野博士,日本からは折茂助教授と広島放影研のDr. Kagan及び細田らが参加した.

地域活動レポート

名古屋市感染症サーベイランス情報からみた麻しんの発生状況—昭和59年発生を中心として

著者: 神谷三千緒 ,   多田利明 ,   山田稔 ,   藤原重子 ,   川越くに子 ,   山中克己 ,   金田誠一

ページ範囲:P.637 - P.639

 ●はじめに
 感染症サーベイランス事業は,その疾病をコントロールすることを目的として始められた.なかでも予防接種対応のできる疾病の情報は,予防接種計画の指標となるべきものであるが,サーベイランス情報は1歳未満,1〜4歳,5〜9歳と全対象疾病が一律の年齢区分で集計されているために,麻しんについては,発生の中心となっている1〜4歳間の状況が判明せず問題となっている.
 また,地域ごとに定められている患者定点からの情報は,定点のカバー率の違いから,発生の地域比較,ことに小地域間の比較が難しくその解析方法の検討が課題となっている.

衛生公衆衛生学史こぼれ話

31.飲み水三代

著者: 北博正

ページ範囲:P.604 - P.604

 今世紀の初期に米国コロラド州の一部の地区に前歯のエナメル質が欠損し,その部が汚い褐色斑を呈する住民が集団的に居住していることが発見され,マッケー(McKay, F. S.)らによって1916年に学会に報告され,このような歯牙異常を斑状歯(mottled teethまたはmottled enamel)と命名された.
 当然,この病因を明らかにするため,疫学的調査が行われたが,遺伝病,風士病,伝染病,栄養障害等等,考えられるような病因はすべて否定されたが,最後に残ったのは,患者はある特定の共用井戸の水を飲用に供しているということであった.そこで井戸水の分析が精力的に行われたが,斑状歯と結びつくような結果は何も出なかった.これは当時の分析技術ではつかまえることができなかったからで,その後,微量分析の進歩により,原因として水中のふっ素イオン(F')量が斑状歯のみられない他の地区にくらべ異常に多く,他の斑状歯多発地区でも同様であることがわかった.

日本列島

あいちレポート'86

著者: 井口恒男

ページ範囲:P.586 - P.586

愛知
 愛知県では昭和57〜65年の8年間の第5次地方計画を実施中であるが,その折り返し点である60年度末に計画前半の実績と後半の展望の白書として「あいちレポート'86」を発刊している.
 白書発刊の目的は第5次計画の課題の具体化を推進し,移り変わりの激しい社会経済の動向に柔軟に対応し,新しい課題にも取り組もうとするものである.

ハブ咬症注意報発令中!

著者: 伊波茂雄

ページ範囲:P.592 - P.592

沖縄
 沖縄県環境保健部では去る5月1日に「昭和61年第一次ハブ咬症注意報」を発令した.
 過去のデータからハブ咬症は,4〜6月及び9〜11月に多発の傾向がみられる.4月からは気温が上昇し,ハブは冬眠状態から抜け出して餌を求め,さらに求愛のために活動するようになり,秋にはその逆で冬に備えて活発に動き回ることから,両シーズンには人間との出逢いもふえることになる訳である.

第4回健康づくりフェスティバル開催

著者: 藤島弘道

ページ範囲:P.639 - P.639

長野
 長野県では,60年11月8・9日,長野市において「健康と環境衛生向上のつどい」の一環として,健康づくりフェスティバルを開催した.県民文化会館で行われたシンポジウム・記念講演には900人,西友川中島店で行われた健康づくり広場には,延べ2万人を越える参加者で盛会であった.
 シンポジウムは,松村満美子さんの司会で行われた.東京家政大の苫米地教授は,人は健康のために生きるのではなく,人生を明るく過ごすための基礎が健康であるとし,生理的老化を治す事は難しいが,栄養・運動・ストレスを含む心の問題を適正に行う事により,老化を延ばす事はできると説明し,一人一人の創意工夫で,個人でも地域社会としても,健康と豊かさを築き上げ得るのだと呼びかけた.東大の豊川助教授は,食べる人・作る人等と言葉の遊びに振り回されすぎる.栄養素や料理を食べるのではなく,生物としての人間が,生命の根源を食べるという心が要求される.夫が厨房で妻を手伝う事が大切なのではなく,妻がいきいきと喜んで食事作りをする雰囲気を作る事が,生活の中での食事作りという意味だと主張された.信大の藤沢助教授は,運動とは労働以外の身体活動を指すとし,運動には本来遊びの要素が必要で,それがあるからこそ運動による身体の解放が,心の解放につながると指摘した。久里浜病院の河野院長は,心の健康のために,身体の健康は大切であるが不可欠ではない.

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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