icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生50巻9号

1986年09月発行

文献概要

発言あり

実年

著者: 加納克己 大塚知雄 渡部正 久常節子 生田恵子

所属機関:

ページ範囲:P.573 - P.575

文献購入ページに移動
地球規模で増えていく
 わが国の平均寿命は世界最長であり,人生80年時代となり,人生わずか50年という言葉はいまや死語である.50代は老年ではなく,60代の人でも自分は老人だと思っていない人が結構いるのではないかと思われる.ヒトが生物体である限り.老いはさけることができないが,老化の程度は個人差が非常に大きい.筆者もあと数年で50代をむかえるのだが,老年の域に入るという感じは全くない.腰が曲がってきたわけでもないし,白髪がとくに目立つということもない.他人がどのように思っているのか知らないが,30代の意識をもち行動している.体力的な衰えは認めざるを得ないが,精神的にはまだ若いつもりでいる.このような状態であるのに,あと数年で他人から「老年」という言葉を用いられたりしたら,よい気分ではない.「実年」のほうがよいにきまっている.この言葉が広く用いられるようになるには,かなりの年月を要するであろうが,定着させてほしいものである.
 いまや,わが国は色々な分野で国際化が進み,国際交流も盛んであるが,いまほど日本が国際的に注目されていない頃に,ある友人が医学とは全く関係のない外国人から「日本ではどのような病気が多いのか」と質問され,成人病を文字通り,adult diseaseと訳し,「日本では成人病が多い」と答えたら,その外国人はとんだ間違いをしたということを話してくれたことを思いだす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら