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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻10号

1987年10月発行

文献概要

特集 母子関係

母子保健と母子関係

著者: 新道幸恵1

所属機関: 1国立公衆衛生院衛生看護学部

ページ範囲:P.674 - P.679

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■はじめに
 母と子の関係は,母親が子供を体内に宿した時から始まる.妊娠初期の,体内の生命がまだ胎芽といわれる時期には,母親は月経停止やつわりによって妊娠したことには気づいていても,まだ体内に自分とは別の生命が存在し,発育していることを自覚するには至らないことが多い.妊娠が進行するに従って,胎児の存在を母親が気づくほどに胎児は発育していく.胎児の成長や発育を,腹部の増大や胎動という胎児からの刺激によって母親が知り,そのことが母親としての気持ちを持ち始めたり強めるきっかけになることから,この頃から母と子の相互作用が始まると考えられるであろう.
 妊娠初期から開始され,子供の出生後長期間にわたって継続される母と子の関係は,母と子の相互作用によって形成発展することが,子供の成長発育にとって望ましいし,母親をも人間的に成長させることになるであろう1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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