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特集 訪問看護
重症心身障害児の訪問看護—巡回訪問療育相談事業
著者: 末光茂1 村下志保子1
所属機関: 1旭川児童院
ページ範囲:P.849 - P.855
文献購入ページに移動「重度の精神薄弱と重度の肢体不自由を重複している」重症心身障害児(以下,重症児と略す)は,人類の歴史とともに存在していたはずであるが,人権思想の未成熟,社会福祉や医療の制度,さらには医療技術の未発達などにより,体系的に取り上げられることはなかった.昭和20年代から30年代のはじめになって,当時の社会福祉制度のいずれからも重症児がはみ出て,適切な処遇が用意されていないことが指摘され,ようやく社会福祉の立場から注目されるようになった.昭和42年の児童福祉法の一部改正によって,重症心身障害児施設が,児童福祉施設であるとともに病院であるという性格の二面性を有する施設として法的に位置づけられるに至り,その後の行政上の対策は飛躍的改善をみることとなる.ただし50年代中頃までの重症児対策は,重症児福祉イコール施設整備の立場で,ベッドの拡充に力が注がれた.
重症児の出現率は,幼児期(3〜7歳)での悉皆調査結果で1.24‰,学童年齢の悉皆調査で0.99‰であり,全国的にみるとその数は約30,000人と推定される1).昭和42年の公法人立重症心身障害児施設は13施設であったが,昭和62年には58施設となり,国立療養所重症心身障害児病棟80カ所を加えると,そのベッド数は14,000余りに達した.
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