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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻2号

1987年02月発行

文献概要

講座

ライフスタイルと健康—1.身体的健康度と精神的健康度

著者: 森本兼曩1

所属機関: 1東京大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.135 - P.143

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はじめに
 ライフスタイルという用語は,Max Weberにより最初に概念化された.Max Weberは,人々がその社会的な生産階級あるいは生活のレベルなど,社会経済的な背景に応じて幾つかの階層に分類され,その階層ごとに特徴的な生活の様式を持つ事を発見して,これをライフスタイルと概念づけた.その後,このライフスタイルの概念はヴェブレンにより,集団のレベルにおける具体的な社会的行動として規定され,現在のこの用語の社会化に大きな役割を果たしてきたと考えられる1).今,ライフスタイルという用語は,個々人の具体的な日常生活習慣を表すと共に,より抽象化された個人の生き様や,健康に対する考え,思考等,その個人の健康意識やひいては人生観とも言うべきものを表現する用語として用いられている.
 本講座では,主として前者,具体的な生活習慣を表す用語としてライフスタイルを用いるが,後に述べるように,個々の日常の生活習慣は,幼少期から,家庭を中心とした社会環境で醸成された個々人の健康意識や人間観の具体的な現れとして見るべき要因が多く,その意味では,これら二つの一見相異なるような用語の用い方自身が,一人の人間の,外的表現とその内なるものを表現する相補的な概念用語として規定する事が可能であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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