icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 思春期

思春期の発達と家族の関係—米国における研究から

著者: リンダ・ベル1 デビッド・ベル1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.253 - P.257

文献購入ページに移動
 思春期によく見られる問題の多くは,思春期というものは家族システムの一部であると考えると,よく理解できるし治療しやすい.米国における思春期の発達に関する研究は,思春期の子どもを家族内に位置づけて考えることの重要性にますます焦点を当ててきている1).思春期の子どもを対象とする臨床に携わっている人々も,より効果的な治療を提供するために,家族そのものを扱うようになってきている2).家族療法は家族全体のなかの個人に焦点を当て,個人の行動は一つの組織システムの一部であり,家族メンバーひとりひとりの感情,思考や行動は他のメンバーの感情,思考,行動と複雑に関係し,互いに補足しあっているとみなしている1).したがって家族メンバーの一人の行為は他の全員の行為に影響を与える.このように,思春期の子どもは家族全体から影響を受けると同時に,家族に起こるプロセスや変化に影響を与えている.
 思春期の少年少女は家族の中で理解するためには,家族の構造と家族のコミュニケーションプロセスに焦点を当ててみるとよい.家族の構造(例えば,誰が誰と親密で,誰が力をもっているか)は,多くの思春期の問題を理解する上で重要である.家族のコミュニケーションプロセス(メンバーが互いにどう語りかけるか,また互いに傾聴しあう,理解しあう,認めあう能力はどうか)も重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら