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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻5号

1987年05月発行

文献概要

特集 休養の科学

労働と休養

著者: 一杉正治1

所属機関: 1北里大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.311 - P.314

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■はじめに
 疫学の定義の一つに,「疫学とは,疾病の自然史(Natural History)を研究する学問である」というのがある.そして疫学の対象は,個人よりも集団であって,その範囲は,疾病のみならず健康,すなわち疾病でない状態をも含む.
 人間の健康状態が,疾病と健康に二分されているとすれば,図1のごとく,人間の健康状態が,疾病と健康の間をゆれ動きながら時が進んでいくのであるが,人間の眼は疾病にのみ注がれがちである.これは,古くから氷山現象と呼ばれ,海面上の氷山にのみ注目し,海面下の状態に注意しないことを表現したものである.疫学は,海面すなわち臨床水平線上の病気だけでなく,その下にある状態,すなわち,いわゆる健康をも含めてあらゆる健康状態にも目を配ろうということである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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