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研究
導電率を利用した塩分計による尿中食塩濃度測定値の信頼性
著者: 西住昌裕1 熊谷秋三1
所属機関: 1佐賀医科大学,地域保健科学講座
ページ範囲:P.428 - P.431
文献購入ページに移動食塩の過剰摂取による弊害は高血圧症や腎疾患において広く認められているが,その他,胃癌予防の観点からも日常の保健指導に際して,その抑制が必要と考えられ,わが国の厚生省では食塩の1日摂取量を10g以下,アメリカでは5g以下が望ましい1)との方針を打ち出している.
ところで,個人の食塩摂取量の推定に当たっては,24時間尿中のNaあるいはCl濃度を測定し,これから1日の食塩排泄量を求めることが一般に行われているが,集団ないし個人の保健指導を効率的に進めるためには,尿中食塩濃度をある程度の正確性を保持しながらも,より簡便に測定できることが望ましい.通常は,炎光光度計,イオンメーター,あるいは原子吸光光度計を用いてのNa濃度測定によっているが,最近はCl濃度を知ることにより食塩濃度を判定する試験紙も利用されている.前3者は測定値の信頼性は高いが,高価な装置を必要とすると共に測定のための技術習得が必要である.これに対し,最後の方法は誰にでも出来るが,測定値には若干の考慮を要することが指摘されている2).
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