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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻8号

1987年08月発行

文献概要

発言あり

医の倫理

著者: 揚松龍治 田中平三 佐野正人 鈴木治子 庭山正一郎

所属機関:

ページ範囲:P.505 - P.507

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公平・献身を旨として
 医学は霊魂と肉体との二つより構成される人間を対象にしており,他の科学とは趣きを異にしている.
 昔は医療と宗教とが結びついていたが,そのうち医療は神の手を離れ,職業人としての医者が現われてきた.そして医療は時代と共に次第に進歩してきた.特に最近の医療の進歩はめざましく,以前には想像もできなかった新しい医療の試みを生み出すこととなった.すなわち,臓器の移植や人工臓器の開発といった例,試験管ベビーの誕生や遺伝子操作といった例である.このような実験的な要素を持った医療の試みに対し,医の倫理を逸脱するものであるという批判や異論が持ち上がっている.これには精神的なものをおきざりにして技術だけが進み過ぎることに対する畏れもあると思う.このような倫理的に検討されなければならない新しい医療の試みは,医学が急激に進歩している今日,これからも増えることが予想される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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