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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生51巻8号

1987年08月発行

文献概要

地域実践レポート

都市部における保健所の減塩運動—脳卒中,高血圧対策の一環として

著者: 柳尚夫1 逢坂隆子1 高濱佳世子1 松本洋子1 上島弘嗣2

所属機関: 1大阪府大東保健所 2国立循環器病センター集団検診部

ページ範囲:P.579 - P.583

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 ●はじめに 大東市は,人口約12万人の大阪市に隣接した新興のベッドタウンである.昭和40年代に人口が激増したが,この数年は人口の増加も止まっている.そのために老年人口の占める割合がまだ低く,粗死亡率では近隣の市と比べても高くない.しかし,標準化死亡比(以下SMR)で比較すると,近隣の市町村より脳卒中による死亡が多い.具体的な数字では,昭和59年の厚生省保健医療局老人保健部の全国市町村別保健マップ数値表1)によると,脳卒中による男子のSMRは,大東市98.6で,大阪府83.2や,近接の四条畷市78.4,守口市76.2,交野市73.8,東大阪市97.3,大阪市86.5と比べて高い.
 減塩運動が,脳卒中死亡率が高く食塩の摂取量の多い,秋田を始めとする東北の農村地域においては,活発に展開されている2,3).しかし,まだ都市部においては,減塩運動の評価も具体的対策の進め方も十分に確立されているとは言いがたい状況である.本市は大都市大阪の衛星都市であるが,前述のような脳卒中多発地域という現状を踏まえて,高血圧対策として,都市部に合った減塩運動を保健所と市が協力しながら模索しつつ取り組んでいるので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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