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特集 市町村保健センター10年の歩み
市町村保健センターの系譜—健康づくりの場の構築
著者: 多田羅浩三1
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学
ページ範囲:P.4 - P.6
文献購入ページに移動イギリスでは,1911年国民保険法が成立し,1913年から国民健康保険の給付が始まった.この国民健康保険制度は時のロイド・ジョージ蔵相が1908年夏,自らドイツに渡り,実地に得た見聞をもとに制度化したものである.
本制度によって,一定の年収以下の被用者は,一般医のサービスを保険の給付として受けることができるようになった.この制度の発足によって一般医の医療サービスが大きく前進したことは明らかである.しかし国民健康保険制度は一般医のサービスの提供を保証したものでありながら,病院の医学の興隆の中で,患者はややもすると一般医を通り抜け,病院に沈殿してしまう傾向があった.このことは,一般医への報酬支払い方式が人頭報酬制度であったということによって一層促進されたといえる.
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