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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生52巻2号

1988年02月発行

文献概要

衛生公衆衛生学史こぼれ話

47.大牟田の赤痢大流行

著者: 北博正12

所属機関: 1東京都環境科学研究所 2東京医科歯科大学

ページ範囲:P.107 - P.107

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 昭和12年(1937)9月25日(このとき筆者はすでに軍医として応召中)福岡県大牟田市において赤痢の爆発的大流行があり,終息時までに患者17,000名(推定),死者712名,当時の同市人口103,549の16.7%の患者が出た.これは1982年8月のハンブルグのコレラ大流行(患者数17,955)に匹敵する疫学史上の大記録である.この流行では疫痢様症状を呈する年少者の患者が多く,死亡者も同じ傾向を示した.
 地元の火葬場は酷使のためパンクし,近隣の農家は便所の汲取り作業を拒否し,パニック状態に陥り,流言蜚語(デマ)が飛びかい,戦時中であったので,防諜上の必要から,県警察部の特高,刑事両課に憲兵隊も出動し,厳重な報導管制がしかれたといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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