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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生52巻3号

1988年03月発行

文献概要

特集 公衆衛生の課題と展望

環境保健

著者: 山口誠哉1

所属機関: 1筑波大学社会医学系疫学

ページ範囲:P.164 - P.166

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■最近の環境問題―特に生活環境汚染と健康影響について
 空気,水,土壌等に含まれる有害物質による汚染は,単に局地的ではなく地域社会を大きく含むことになり,結局その影響を受ける可能性のある対象者が,複数,集団になってくることが予測される.また,単に物質による汚染のみではなく,近年においては社会経済問題,精神構造等も人間の生活環境問題として具現されて来ている.
 ある集団の中である特定の疾患が発生した場合,その患者が少数で,しかもその原因がコレラやチフスの如く比較的容易に同定出来るものであればともかく,特に近年の環境保健の問題としては,広い環境の中で不特定多数の患者が発生し,その原因が判然としない場合が多く,その原因の解明は臨床医学的手法では不可能の場合が多い.まして,原因不明または非特異性疾患の患者が発生した場合,個々の患者と環境内特定有害物との因果関係があることを証明することは極めて困難なことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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