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健康学習の試み・2
「健康学習」の企画と運営の実際
著者: 石川雄一1
所属機関: 1自治医科大学地域医療学教室
ページ範囲:P.279 - P.283
文献購入ページに移動これまで健康教育の評価が,開催回数,参加人数と講師の知名度でなされ,企画に際しても人集め,講師の選択に精力が注がれてきた.また保健婦自身が実施する場合も,食事,運動の話題を中心に,成人病を代表とする疾病をテーマとした健康教育が運営されてきた.健康教育の効果判定を主催者側の物差しで測ったため,実施後,住民が健康づくりの行動変容をしたか否か,つまり住民の変化度をみる評価はほとんど行われてきていない.塩分摂取量や血圧などの非常に限られた項目は,数値を追ってフォローされたが,人間全体,地域全体の健康度の評価はあまりなされていない.
それは,健康教育の企画材料が疾病頻度,死因などに代表される結果からスタートしたことに問題がある.病気,死因は,人間が何十年か自分のライフスタイルで歩んだ結果である.住民に取り上げて欲しい話題はと問うと,高血圧やがんと決まった答えが返ってくる.禁煙をしたほうが良いと全員が知っていて,その重要性,具体的方法論を主催者である保健婦や医師が説明する.多くは知識の伝達にとどまり,行動変容までは至りにくい.継続性となると更に困難である.しかし,多くの住民はより健康になることを望んで健康教育の場にやってくる.
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