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公衆衛生人国記
福井県—福井県における公衆衛生の先駆者,笠原白翁
著者: 大井田隆12
所属機関: 1元福井県厚生部保健予防課 2現厚生省健康政策局計画課
ページ範囲:P.501 - P.503
文献購入ページに移動このように幕末の福井は,大野藩だけでなく福井藩も含めて,日本の医学史上大きな刺激を与えたのである.その中で特に公衆衛生上の先駆者を考えるなら,越前福井の医師笠原白翁を挙げることができると思う.白翁は幕末,種痘を広めるのに貢献した代表的な人である.白翁は種痘を広めるに当たり,藩主松平春獄に嘆願書を提出したりして多くの努力を重ねた後,佐賀藩で成功した種痘の同苗を福井にもたらすことができた.これによって福井ばかりでなく,多くの地域の多くの人命が救われたのである.今でこそ天然痘は地球上から無くなってしまったが,当時は最大の伝染病であった.致死率が高く,治ゆしてもみにくい「あばた」を残したのである.
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