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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生52巻8号

1988年08月発行

文献概要

特集 地域環境保全と健康

温泉医学と環境保全

著者: 植田理彦12

所属機関: 1日本温泉療法医会 2東京八重洲総合健診センター

ページ範囲:P.523 - P.525

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 わが国は高齢化がすすむにしたがって,老年病,成人病,交通障害,代謝病が増加している.これらの疾病に対して近代医学をもってしても及ばない面も多い.これらの疾病の中には,温泉地療養によって機能回復,薬物治療の使用量の減量,自然治癒能力の増強など,食事療法,運動療法と同様に,近代医学の補助的治療法として役立つ場合が多い.
 また,温泉地保養は,健康回復,疾病予防と健康づくりという目的をもった医学的分野でもある.わが国の温泉地の発展をみると,湯治場から観光へと進み,大型歓楽地へと変化してきた.昭和29年,第二次世界大戦後多くの温泉地が歓楽化した中で,厚生省は本来の温泉地利用の目的である療養・保養の場として,優れた温泉地を「国民保養温泉地」に指定し,主管が環境庁に移っても毎年引きつづき数カ所を指定し,施設の整備をしてきた.現在国民保養温泉地は75地区138カ所に及ぶが,当初予期した成果はまだ達せられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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