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公衆衛生人国記
島根県—成人病予防と公害問題を中心に
著者: 多田学1
所属機関: 1島根医科大学環境保健医学第1講座
ページ範囲:P.572 - P.574
文献購入ページに移動島根県津和野町出身の森鴎外は文学者として有名であるが,本務はドイツ留学で学んだ衛生学を陸軍軍医として,日清,日露両兵役において実践したことにある.このことは,わが国の本格的な公衆衛生の草分けともいえる.また島根県の公衆衛生・地域保健といえば,第一線の活動を担当する保健婦養成所が昭和15年,県立松江高等女学校・浜田高等女学校に付設され,全国でも早くから保健婦教育に取り組まれていた県でもある.
島根県の地形は東西250kmと細長く,南に中国山脈を抱え,北は日本海に面して隠岐島を浮かべ,総面積は約6,626km2で,都道府県面積順位は第19位である.医療事情は島根医科大学が昭和50年に設立されるまでは,僻地の多い医療過疎の地域であった.島根県において公衆衛生活動に携わった人について述べるが,その職名はいずれも当時の現職名で書かせていただく.
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