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調査報告
がん登録の精度を考慮した宮城県のがん罹患率の年次推移
著者: 清水弘之1 久道茂1
所属機関: 1東北大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.636 - P.640
文献購入ページに移動がん罹患率(とりわけ,特定部位のがん罹患率)の年次推移を,環境中のある因子の質・量の年次推移と比較することができれば,その因子が発生要因であるかどうかを究明する端緒とすることができる.また,既報の年次推移から,様々な将来予測を試みることもできる.
しかし,がん罹患率の推移は,地域がん登録の成績を基にして得られたものであり,その信頼性は主としてがん登録の精度に依存している.もっとも,がん登録の精度が低いなら低いままに経過しておれば(たとえば登録による値が真の値より10%低いとしても,常に10%だけ低いのなら),罹患率の年次推移はほぼ正確に把握することができる.一方,年とともに登録精度が変化している場合には,観察値(登録による値)のみに基づいた罹患率の推移は,真の推移を反映していない恐れがある.
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