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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生52巻9号

1988年09月発行

文献概要

調査報告

がん登録の精度を考慮した宮城県のがん罹患率の年次推移

著者: 清水弘之1 久道茂1

所属機関: 1東北大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.636 - P.640

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 ●はじめに
 がん罹患率(とりわけ,特定部位のがん罹患率)の年次推移を,環境中のある因子の質・量の年次推移と比較することができれば,その因子が発生要因であるかどうかを究明する端緒とすることができる.また,既報の年次推移から,様々な将来予測を試みることもできる.
 しかし,がん罹患率の推移は,地域がん登録の成績を基にして得られたものであり,その信頼性は主としてがん登録の精度に依存している.もっとも,がん登録の精度が低いなら低いままに経過しておれば(たとえば登録による値が真の値より10%低いとしても,常に10%だけ低いのなら),罹患率の年次推移はほぼ正確に把握することができる.一方,年とともに登録精度が変化している場合には,観察値(登録による値)のみに基づいた罹患率の推移は,真の推移を反映していない恐れがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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