icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻10号

1989年10月発行

文献概要

特集 温泉と健康づくり

ストレス・休養と温泉療法

著者: 山内祐一1 川上人志2 田中恵子2

所属機関: 1東北大学教養部保健体育学科 2東北労災病院心療内科

ページ範囲:P.662 - P.667

文献購入ページに移動
■はじめに
 社会経済情勢の急変がストレス社会をつくりあげている.どこの職場にも先端技術が導入され,加速度的に合理化が進み,新しいタイプの職場ストレスやストレス病が多発するようになった.このため,勤労者の健康維持増進には,単に身体面だけのチェックでは十分とはいえない.心の健康も含めた総合的な労働衛生管理の考え方が必要となった.いわゆる職場のメンタルヘルスケア対策が重要視されてきたのは当然のなりゆきと思われる.これを推進するには,企業の国際化,女性の職場進出および高齢化社会なども配慮せねばならない1).こうみてくると,職場ストレスを構成する要因は,必ずしも職場だけに限らないことがわかる.しょせん人間は職場だけの存在ではない.むしろ,1日の半分以上を家庭や地域社会で過ごしているものである.したがって,集団の中における生活行動と個のライフスタイル双方が健康管理の対象になる.しかもこれら職場,家庭,社会,個人の4要因は互いに有機的なつながりを持つ.いずれに歪みが生じても,他因子に何らかのインパクトを与えずにはすまない.こうして各種のストレス関連疾患が発症してくる(図1)2).かかるストレス病対策や健康づくりへの積極的な取り組みがようやく普及してきたのも時代の要請といえよう.ただし,健康科学はあくまでも実践の科学である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら