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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻10号

1989年10月発行

文献概要

特集 温泉と健康づくり

健康づくりと温泉の活用—大分県湯布院温泉

著者: 矢永尚士1

所属機関: 1九州大学生体防御医学研究所気候内科

ページ範囲:P.676 - P.678

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■はじめに
 温泉療養とは,温泉だけでなく,気候,食事,物理療法,その他の治療も総合して行われる温泉場での治療をさしている.温泉には入浴,飲用,吸入などの応用法がある1).最近,温泉療法が場所を問わず行われるように人工温泉の研究もなされている.保温作用や浴後の快感がサラ湯より人工温泉の方が優れていることも証明されている.
 高齢化社会を迎えて温泉は,歓楽的利用から健康づくりのための利用に方向を変えつつある.薬による治療や手術は,正しい適応のもとに行われれば効果は急速で著しいが,副作用などの好ましくない面もある.近代的な治療法は,多くの場合,急性に経過する病気には適するが,高血圧や狭心症などの成人病は大部分が慢性病であり,しかも肝臓や腎臓の機能障害を併せもっていることも少なくない.そこでできれば食事,適度の運動,看護などを主として,薬物療法は必要最低限度にしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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