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特集 温泉と健康づくり
世界の温泉
著者: 大島良雄12
所属機関: 1東京大学 2埼玉医科大学
ページ範囲:P.682 - P.685
文献購入ページに移動温泉療養に関連したすべての領域(医学,その他の科学,技術,教育,社会制度,法律,観光,交通など)の活動を対象とする国際会議の組織を,国際温泉気候連合(Fédération Internationale du Thermalisme et du Climatisme,略称F. I. T. E. C.)といい,1947年創立・ヨーロッパの各国が中心となって結成しているが,3年前から日本も加盟し,昨年,アジアで初めて京都で総会を開き,今後中国,韓国,フィリピン,インドネシア,オーストラリア,ニュージーランドなどアジア太平洋地区諸国の温泉関係者ないし団体のコーディネイターを日本が務めることになった.
F. I. T. E. C. で現在,温泉療養の対象にしている主要疾患は,成人では心筋梗塞などの心血管病と糖尿病,肥満症などの代謝病,慢性消化器疾患,小児では慢性呼吸器疾患(気管支喘息,鼻炎,反復する咽喉気管支炎)などが中心であって,もちろん昔からの適応である関節疾患,皮膚病,婦人科疾患も扱われるが,日本のどの温泉地に行っても適応症の第一に挙げられている関節リウマチは,昔ほどの位置を占めていない.
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