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特集 在宅ケア体制の推進と家族制度
日本の家族制度の変化と在宅ケア体制
著者: 園田恭一1
所属機関: 1東京大学医学部保健学科保健社会学
ページ範囲:P.728 - P.732
文献購入ページに移動高齢化社会を迎え,また慢性疾患や精神障害が死因や健康問題の大半を占める時代となり,福祉や医療の課題や対応の方向も大きな転換が迫られるようになってきている.
日本でも,欧米ほどに顕著ではないにせよ,高齢者や障害者は施設に収容し,また患者は病院へ入院させる方向で,またその方向こそが望ましい福祉や医療のあり方であるとして志向され,追求される動きがみられたが,増大する高齢者や障害者や患者などを,おしなべて施設や病院などに収容したり,入院させたりするということは到底財政的にも,マンパワーの面からもできることではなく,またそれぞれの身体的,経済的,社会的,精神的といった事情や条件などからして,そのすべてが収容や入院などを必要とするわけもなく,また必要以上の長期にわたる施設入所や入院は,社会的なつながりを失わせ,障害や病状の回復や自立性の拡大などにとってもマイナスの役割を果たすことも少なくないことなどが指摘されるようになってきている.
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