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衛生公衆衛生学史こぼれ話
55.気宇壮大な疫学人体実験
著者: 北博正1
所属機関: 1東京都環境科学研究所 2東京医科歯科大学
ページ範囲:P.140 - P.140
文献購入ページに移動ここに海軍軍医,高木兼寛(1849〜1920)が登場する.彼ははじめ鹿児島で石神良策,ついで英医ウィリス(William Willis,1837〜1894)に医学を学んだ.ウィリスは幕末の内戦で官軍の軍医として大活躍し,このため日本は医学の範を英国に仰ぐ形勢にあったが,相良知安・岩佐 純のドイツ医学導入案を政府が採用したため,ウィリスの処遇が大問題となったが,西郷隆盛が鹿児島に引きとって医学教育に当たらせたことはよく知られている.高木はウィリスのすすめにより海軍に軍医として入り,英国留学の機会をつかんだ(陸軍軍医森鴎外がドイツ留学の機会をつかんだのとよく似ている).
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