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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生53巻3号

1989年03月発行

雑誌目次

特集 公衆衛生従事者の生涯学習

公衆衛生従事者の生涯教育とその基本

著者: 長田泰公

ページ範囲:P.148 - P.151

■生涯教育の位置付け
 公衆衛生に限らずどんな分野でも,職業人としての学習が不必要な分野はないであろう.その学習は職業に入るための卒前学習のみでなく,職業人となってからもその職を辞めるまで必要である.この生涯学習(life-long learning)を組織的に支えるのが生涯教育(continuing education)である.表1に示すように,職業人になるための学校や養成機関での教育は,基礎的系統的なものであり,これを終えて学位,資格を獲得し,あるいは免許を得て職場に入る卒前教育(under-graduate education),その後の教育は卒後教育(graduate and postgraduate education)であり,学位,資格に結びつく大学院のような教育もあり,また学位等には関係なく実施される現任訓練(on the job training)もある1).一般的には後者のような訓練を生涯教育とするが2),職場から大学院に派遣されるような場合には現任訓練に入れてもよく,最近はそのようなケースも多いと聞く.
 さて公衆衛生に従事する者にとっても,生涯学習,それに応えるための生涯教育が重要なことはいうまでもない.

保健活動と生涯教育の視点

著者: 崎原盛造

ページ範囲:P.152 - P.155

■はじめに
 生涯教育は,一般大衆を対象にした教育的営為として,とくに高齢者や婦人を対象に一般教養や趣味的プログラムを提供している場合が多い.それには教育委員会等の公的機関による活動からビジネスとしてのカルチャースクールまで多種多様な形態があり,広範囲なプログラムが提供され,活気を呈している状況である.
 一方,専門的な職能団体の多くは何らかの教育活動を展開しているが,生涯教育として体系的なプログラムを提供している団体はまだ少ないのが現状である.

保健医療活動と地域医師会の生涯教育

著者: 大貫稔

ページ範囲:P.156 - P.159

■はじめに
 地域医療を担う医師にとって,今最も強く求められていることは,その地域の住民が,身体的,精神的,社会的,職業的(または学業的)かつ経済的に充実した一生を全うするように,地域に所属する保健・医療・福祉関係職の人々の緊密な相互連携の中心的役割を医師が果たすべきであるという自覚を持ち,それを実行するために必要な知識の修得・研鑽を積まなければならないということであろう.すなわち,全人的医療の推進役となるべきであるという,医師自らの意識改革が望まれている.
 従来の病院・診療所等の施設内医療にとどまっていた医療行為から脱皮して,積極的に地域に進出し,地域住民に対して,保健・医療・福祉に関するサービス提供の調整役を果たし,また地域住民に対する各種教育的活動を組織的に展開するとともに,医師以外のサービス提供側の人々に対しても指導的活動を意欲的に実践することが大切である.

保健所保健婦の生涯学習

著者: 伊藤久史

ページ範囲:P.160 - P.163

■はじめに
 最近における人口の高齢化,年少人口の減少,疾病構造の変化,科学技術の進歩,情報化,国際化等社会の急激な変化に伴い,人々の学習ニーズは多様化,高度化するとともに,生きがいの追求と合わせて,新たな知識・技能の習得を求めるニーズが増大している.
 このような背景の中で,自ら学び,自ら高めていくことは,ますます重要となって来ている.

市町村保健婦の生涯学習

著者: 伊田八洲雄

ページ範囲:P.164 - P.168

■はじめに
 最近,保健医療の従事者の生涯学習の重要性が強調されるようになりました.専門分野における教育・学習の問題は,それぞれ専門領域に従事する者自身が論議し,自らその方向を見いだしていくべきものという考え方に立てば,本稿は,市町村保健婦の手によって書かれるのがふさわしいのではないかと思ってもみましたが,筆者自身も地方の公衆衛生業務に従事する一員ですので,同じ領域の仲間として,市町村保健婦の生涯学習について考察してみようと思います.
 なお,この課題を取り上げる際に,特に留意すべき事柄として,教育と学習の差異,保健所保健婦の業務と市町村保健婦の業務の相違点について,ある程度明らかにしておくほうが話しを進めやすいように思いますので,まずこの点について言及したうえで,市町村保健婦の生涯学習に望まれる課題等について述べることにいたします.

公衆衛生従事者の生涯学習—人生80年時代のQOLを支援するために

著者: 羽牟俊一

ページ範囲:P.169 - P.172

■多様化する成熟社会での国民ニーズ
 1988年9月15日現在の人口推計(総務庁)によれば,65歳以上の高齢者がわが国の総人口に占める割合は11.2%に達し,実数で前年比3.5%増と,急ピッチで増加している.
 高齢者の総人口に占める割合が7%を超えて,WHOの定義による高齢化社会に入ったのが1970年のこと,そして85年に10%を超え,2000年のそれは15%に到達し,高齢社会を迎えると予測されている.

公衆衛生医の生涯学習

著者: 星旦二 ,   徳留修身

ページ範囲:P.173 - P.176

■新時代の公衆衛生医
 公衆衛生活動の課題は,疾病構造の変化,超高齢化社会,情報化社会を迎え,また人々の価値観が多様化していることや地域特性を重視した健康政策が求められていることであり,大きな転換期を迎えているといえよう.このような時代にあって,公衆衛生医の役割は,慢性退行性疾患や心の問題への対応を通して,生活や生命の質を向上させることを目的に,それぞれの地域に合致した効果的で効率的な,人間をトータルとしてとらえる総合的な保健サービスを推進することであろう.
 これらの新しい課題に適切に応えていくためには,公衆衛生従事者が,住民を生きた教科書として保健事業に計画的に取り組み,評価をしつつそれをまとめていくといった実践的な研究を基盤とする,生涯にわたる学習が必要である.この学習過程では,公衆衛生医の役割が特に重要である.ここでいう公衆衛生医とは,保健所や行政に勤務する,主として公務員の医師,歯科医師を念頭におき,また生涯学習としては,大学卒業後の生涯にわたる研究教育研修学習過程を指すことにしたい.

トピックス

訪問看護の現場からみた在宅介護ガイドライン

著者: 山崎摩耶

ページ範囲:P.177 - P.180

◆はじめに
 筆者の長くつきあってきたケースに,現在100歳を迎えた一人暮らしの生き生き老人がいる.超高齢者その通りの老化ぶりであるが,そのクオリティあふれる生活は21世紀の老人像を彷彿とさせ,明るい未来社会の予感もさせる.だが,それは約8割といわれる健康老人の姿であって,社会に"老人問題"として,大きな問題を投げかけている病弱高齢者や寝たきり,痴呆性老人などの要介護老人の在宅ケアはこれからの必至の課題であることには間違いない.
 厚生省は今年8月,「長寿社会対策推進本部」を発足させ,21世紀に向けた疾病予防と積極的な健康増進,医療や介護を要する老人のケアのありかたなど,活力ある長寿社会の構築に取り組むことになった.

アニュアル・レポート

公衆衛生学の動向—日本公衆衛生学会総会から

著者: 三宅浩次

ページ範囲:P.181 - P.183

 第47回日本公衆衛生学会総会は,昭和63年9月20〜22日の3日間,札幌市の北海道厚生年金会館と札幌市教育文化会館を会場として開催された.札幌での開催は第7回,21回,31回と,過去3回行われている.その間に日本の公衆衛生は大きく変貌したが,ここでは今回の公衆衛生学会について主催者側が意図した点,および筆者の感じたところを述べることとする.

衛生学の動向—日本衛生学会

著者: 緒方正名

ページ範囲:P.184 - P.186

 第58回日本衛生学会総会は,昭和63年3月28〜29日の3日間にわたって岡山大学教養部,岡山東急ホテルの2施設を用いて開催された.
 本学会は,昭和4年に連合衛生学会として設立され,昭和24年,日本衛生学会となり現在に至っている.学会総会は昭和4年以降毎年開催され,現在58回を数えており,衛生関係では特に古い歴史を有している.そして衛生,公衆衛生領域における基礎的な研究も期待されている学会である.今回は470題を超える過去最大の演題数で,また参加人数も900人を数えていた.

産業衛生学の動向—日本産業衛生学会を中心に

著者: 岡田晃 ,   野原聖一

ページ範囲:P.187 - P.190

◆はじめに
 現在の日本の社会では,高度技術化,情報化そして高齢化という趨勢が急速に進んでおり,産業界においてもそれらの影響は避けられず,これらに対する対応が必要となってきている.
 労働者の健康保持のためのさまざまな活動,対策は当然のことながら,社会の変動,産業社会の変容とともに変化してゆくものである.最近では,健康障害を有する労働者への対応もさることながら,発生源対策,そして積極的予防策の展開へと重点が移行している感があり,特に高齢労働者の健康保持,メンタル・ヘルス・ケア事業,VDT作業の労働衛生学的管理,職業がん対策などに力が入れられている.

活動レポート

宮崎県綾町の保健活動

著者: 渕上守

ページ範囲:P.191 - P.195

●はじめに
 綾町は宮崎県のほぼ中央部,宮崎市の西方約20kmのところに位置し,総面積95.29km2,東部の一部平担地を除き西北部には,総面積の80%を占める広大な森林が広がり,全国でも有数な照葉樹林として知られ,九州中央山地国定公園であると共に,温暖な気候と併せ,この地域を水源として出る湧水は,日本名水百選にも選定され,流下する河川の清流は,緑深い渓谷美を創出している.人口7,540人,2,366世帯,国民健康保険加入率55.8%,第1次産業35.8%,第2次産業28.2%,第3次産業36.0%と役場を中心に半径4kmの円を描けば,人口の90%はその円の中に入るほどの小さな町である.
 昭和40年,22の行政区で区長制から自治公民館組織に再編成を行い,住民の力で,住民の向上のために,住民による自主的運営組織づくりと,課題解決に向かって活動が開始された.昭和48年「あすをきずく人づくり運動」の宮崎県指定を受けて,より活動の充実を見るようになった.

海外事情

ホンジュラス農村の医療事情—自己投薬行為を中心に

著者: 池田光穂

ページ範囲:P.208 - P.212

 自己投薬行為(selfmedication,automedicación,イタリック,スペイン語)とは,医療の専門職の監督の圏外で民間の人々によって行われる自己判断に基づく投薬行為のことを指し,治療選択や保健追求行動(health seeking behavior)のひとつである.自己投薬行為は,低開発地域いわゆる第三世界のみならず開発国においてさえも広くみられる一般的な現象である.しかし近代医療の導入が不十分な第三世界では,自己投薬行為はその国の住民の保健追求行動のうち大きな部分を占めている.また医薬品の取扱いに関する法制度が未整備で,かつ間題のある使用例が見られるという点で,開発国の住民の自己投薬行為とは異なった独自の様相を呈している.
 自己投薬行為に関する議論は,その現象の解釈をめぐって大きく二つの潮流に分けられる,ひとつはこのような行為を医療化(medicalization)や医原性(iatrogenesis)8)の脈絡でとらえ,住民の保健追求行動に対する有害な干渉と見る態度である5,9,13).他のひとつは自己投薬行為をプライマリーヘルスケアの中に位置づけるために,その行為そのものの問題性を取り除き,公衆衛生教育の普及など1ごよって住民の自助努力を促すものとする立場である1).いずれにせよ経済活動における自己投薬への住民の負担やその実態は,第三世界における健康計画を考える上で等閑視できないものになっている.

明日の地方衛生研究所

衛生化学

著者: 河村太郎

ページ範囲:P.196 - P.199

◆はじめに
 現在の地方衛生研究所は昭和23年(1948)の厚生省三局長通達によって形成されたが,このような機能の一部は明治から大正時代にかけて,すでに各道府県ごとに衛生試験所,細菌検査所,あるいはこれらを統合した中央衛生試験所という形で設置されていた.
 わが国が鎖国政策から開国し,先進諸国と通商友好条約を締結し,欧米の文明を導入し近代国家を目指す中で,数多くの障害につき当たったことは十分想像できる,中でもコレラの流行,ペストの侵襲,不良医薬品の横行など,旧来の技術では対応できない問題が山積する中で,明治政府が国民の健康と民生の安定のため,これらに対する対策を積極的に推進したことは,まさに先見の明というべきであり,当時の為政者の見識を大いに評価しなければならない.

保健所活動の新しい展開

臨床検査技師の地域保健活動

著者: 堀内深

ページ範囲:P.200 - P.202

◇はじめに
 今の成熟された時代に求められる企業の理念というのは,住民意識の状況変化を的確に把握し,諸問題に対処していくことから明日の保障があるといったところまで発展しているという.公衆衛生の課題にしても,高齢化社会の到来など社会環境の変化により,社会的ニーズは大きく変化してきている.このような中で,公衆衛生の向上自体にも,従来の考え方から脱却し,発想の転換を行いながら,新たな保健活動を展開する時代が来たのではないだろうか.こういう時代の流れの中で,私たち保健所の専門職が果たす役割と使命とは何かを,地方の一保健所での現状を通して考えてみたい.

事例からみる保健相談

パーキンソン病患者の支援

著者: 杉浦芳子

ページ範囲:P.206 - P.207

 パーキンソン病は,さまざまな運動障害や自律神経失調症状,精神的な問題など,その時期に合致した治療法をきちんと受けることと,長い期間にわたって自分自身で,身体を動かしたり,対人関係を保つこと,食事その他の工夫で便秘をしないような努力や,呼吸器の感染予防など,特有に起こりやすい症状や生活障害を自身でコントロールしつつ生活することが必要であり,家族もまたそのような本入の状態を理解しながら生活を工夫する必要がある.ここでは治療を受けながら,セルフコントロールしつつ人間らしい生活の意欲を高める援助について考えたい.

発言あり ライフスタイル

私の生きがい,他

著者: 高野昭

ページ範囲:P.145 - P.147

 医学部を卒業して医師になってから35年になる.最初の6年間は内科の医師で,次の7年間は公衆衛生学教室の助手としてがん予防のための疫学研究に従事した.それから病院勤務8年,残りを公衆衛生行政に従事して一昨年定年で退職した.
 臨床,研究,病院管理,行政と職場と仕事の内容が変わり,医学部卒業生としては珍しいことらしく,臨床一本の同級生から冷やかされるほどである.しかし,職場が変わっても身分が変わっても,一つの仕事に従事できたので,私自身は苦労はなかった.私を支えてくれたこのがん登録の仕事は,東北大学の瀬木三雄先生が昭和33年に開始されたものであり,現在も宮城県対がん協会で継続して続けられている,ほぼ30年にわたってこの仕事のお手伝いをさせていただき,現在でも情報の収集,処理のためのコンピュータプログラムの作成,データのチェックを兼ねた入力を担当している.この業務を通じて,病院の診療録管理に問題意識を持ったことが,今日の私の生きがいなのである.

公衆衛生人国記

佐賀県—佐賀県衛生部の足跡をたどって

著者: 石橋寿

ページ範囲:P.203 - P.205

終戦後の公衆衛生と災害防疫
 筆者が九州大学医学部産婦人科教室で研究をしている時,佐賀県の県立性病診療所に来てくれとの話があったので,当時健康を害していたが県衛生部に出向いたところ,衛生部長(一ノ瀬忠行氏)より行政に入ってくれと懇望され,衛生部予防医学課に採用された.当時の衛生部は医務課,予防医学課,公衆衛生課,薬務課の4課制で,医務課長は事務系,予防医学課長,公衆衛生課長は医系,薬務課長は薬系であった.
 昭和24年8月採用になり,直ちに災害防疫をさせられびっくりしたものである.防疫必携を片手に災害防疫(水害),飲料水の確保,井戸水の消毒,衛生教育,検病調査,家屋・便所の消毒,疑似患者の掌握,防疫・消毒薬品の確保等,全くもって,産婦人科を志す医師の仕事ではなかった.雨が上がったあと自転車で防疫指導に駆けずり回ったものである.しかし,そこで見たもの,聞いたもので住民に感謝されたことなど全く学生時代に教えられたものでなく,人間最低の生活,難民のような生活(現在のバングラデッシュ水害などの東南アジア水害等と同じ状態)を見て,何かしら防疫技師(伝染病予防法)としての仕事の尊さを見いだしたような気がした.

衛生施策の動向・都道府県 鳥取県

鳥取県における健康県づくり推進事業

著者: 瀧田親友朗

ページ範囲:P.213 - P.213

1.目的
 健康県づくりは,全国に先駆けてかつてない人口の高齢化を迎えている鳥取県が,健康の意義を十分に認識し,広く県民と県下の諸機関・団体に呼びかけ,21世紀に向けて,健康で明るく豊かなふるさとを築こうとするものである.その趣旨に沿って,1987年3月10日,鳥取県健康県づくり県民運動推進会議が設立され,三つのスローガンが宣言された.
 1)「自分の健康は自分で守る」という自覚を持ち,病気にうちかつ健やかなからだをつくります.
 2)郷土を大切にし,ゆとりとうるおいのある朗らかな心を育てます.
 3)家庭や地域のふれあいの輪を広げ,温かく思いやりのある社会を築きます.

保健行政スコープ

保健所の情報提供サービス

著者: 阿部重一

ページ範囲:P.214 - P.215

 現代は情報が氾濫する時代である.マスコミの発達によって,保健医療の分野においてもさまざまな情報が一般の人々に提供されている.健康は多くの人々にとって最大の関心事であり,あらゆる人々から,あらゆる種類の情報が求められているわけであるが,一方で医療は極めて専門性の高い分野であることから,幾多のメディアを通じて提供される情報が的確に受け止められ,利用されているとは言い難い.
 そこで一般の住民サイドから,健康や医療について,あるいは健康に影響を及ぼすあらゆる事柄について,相談,問い合わせがなされるわけであるが,実際には,伝統的に保健所がこのような地域住民向けの健康相談機能を担って来たと言って良いであろう.そこで今回,保健所を地域の保健医療情報センターとして位置付け,整備して,一般の人々に向けて,本当に役に立つ医療や健康に関する情報を提供できるよう,その機能を強化するシステムの開発を行うことになった.

日本列島

非A非B型肝炎による肝障害の多発か?—長野

著者: 藤島弘道

ページ範囲:P.190 - P.190

 昭和56年11月ごろ,木曽保健所管内のN町(人口約6,400人)A地区(人口約1,200人)で,肝障害患者が続いて発生し,住民の間に不安の声が広がった.N町から相談された保健所が調査を開始し,A地区はN町の他地区に比し,肝機能障害者の率が高いこと,肝疾患既往率が21.8%と高率で,昭和50年以降に多発していること,家族集積性の高いこと等が明らかになった.
 これらの結果を得て,昭和60年にN町肝炎対策事業が発足した.地元医師,S大学,N大学,S病院等の協力を得て,肝障害の実態把握,肝炎の原因究明,患者の早期発見,早期治療等の事業が,10年計画で進められることとなった.

愛のラジソン—岐阜

著者: 井口恒男

ページ範囲:P.205 - P.205

 岐阜放送では毎年,「愛のラジソン」と銘打って,眼登録や腎登録等の推進番組を実施している.昭和63年は11月6日(日)正午より17時までの番組となったが,岐阜県で9月より発足したジン・アイバンクの活動状況や献血状況等について,街での声や記者のレポート,公開討論会等が放送された.
 岐阜県での現状をみると,眼登録者は1万人弱,提供者は毎年10数人で累計200人余,移植者も10人前後であり,腎登録者は5千余人,腎提供者は30人弱で毎年2〜3人が腎移植を受ける程度である.献血者は毎年12万人程度であり,献血率は全国順位でも40番前後と停滞しており,その対策が緊急となっている.

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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