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明日の地方衛生研究所
衛生化学
著者: 河村太郎1
所属機関: 1横浜市衛生研究所
ページ範囲:P.196 - P.199
文献購入ページに移動現在の地方衛生研究所は昭和23年(1948)の厚生省三局長通達によって形成されたが,このような機能の一部は明治から大正時代にかけて,すでに各道府県ごとに衛生試験所,細菌検査所,あるいはこれらを統合した中央衛生試験所という形で設置されていた.
わが国が鎖国政策から開国し,先進諸国と通商友好条約を締結し,欧米の文明を導入し近代国家を目指す中で,数多くの障害につき当たったことは十分想像できる,中でもコレラの流行,ペストの侵襲,不良医薬品の横行など,旧来の技術では対応できない問題が山積する中で,明治政府が国民の健康と民生の安定のため,これらに対する対策を積極的に推進したことは,まさに先見の明というべきであり,当時の為政者の見識を大いに評価しなければならない.
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