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海外事情
ホンジュラス農村の医療事情—自己投薬行為を中心に
著者: 池田光穂1
所属機関: 1大阪大学医学部環境医学教室
ページ範囲:P.208 - P.212
文献購入ページに移動自己投薬行為に関する議論は,その現象の解釈をめぐって大きく二つの潮流に分けられる,ひとつはこのような行為を医療化(medicalization)や医原性(iatrogenesis)8)の脈絡でとらえ,住民の保健追求行動に対する有害な干渉と見る態度である5,9,13).他のひとつは自己投薬行為をプライマリーヘルスケアの中に位置づけるために,その行為そのものの問題性を取り除き,公衆衛生教育の普及など1ごよって住民の自助努力を促すものとする立場である1).いずれにせよ経済活動における自己投薬への住民の負担やその実態は,第三世界における健康計画を考える上で等閑視できないものになっている.
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