icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻4号

1989年04月発行

文献概要

発言あり 保健婦

地域ケアシステムのもつ課題,他

著者: 川崎寿子1

所属機関: 1大阪府富田林保健所

ページ範囲:P.217 - P.219

文献購入ページに移動
 私の頭の中には,保健婦とは地域の健康問題をどうとらえ,関係機関との連携の中でどのように解決するかが,いつも課題として残っている.事例を紹介する中で考えたい.
 M氏80歳,生来頑健で農業に従事.転倒が原因でねたきり状態となった.親戚の依頼で訪問した時は転倒してから6カ月の間,医療機関に受診せずに昼夜とも,椅子に座った生活をしていた.ほとんどの大きな関節には拘縮があり,海老のように曲った姿であった.腸骨部,腰部に褥瘡があり潰瘍を形成していたし,臀部から下肢にかけては屎尿,汗でじめっと湿っていた.肛門部は肉芽組織が見え,動かすと痛みを訴え,特に下肢の浮腫がひどかった.閉めきった4畳半の部屋は,屎尿で汚れたままの布団や衣類が積み重ねられ,悪臭がたちこめていた.同居の精神障害を持つ次男(50歳,独身)がどうにか介護をしていたが,他の子供は別居していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら