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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 保健予防活動—保健所の戦術と戦略

保健予防活動の新たな展開に向けて

著者: 多田羅浩三1

所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.220 - P.223

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■はじめに
 人々が自らの生活の中で,健康を守り,疾病を予防するというような試みは,少なくとも初めて下水道を掘ったり,上水道を敷設した頃にまでさかのぼることができるであろう.ローマの時代には,住民の国勢調査が行われたり,多数の衛生法規が施行され,また下水溝のある舗装道路や公衆浴場が建設され,水道による給水や下水処理施設の敷設などが行われていたということも報告されている.近代における保健予防活動の制度化は,おそらく1848年にチャドウイックらの努力により成立した公衆衛生法を嚆矢とするといえるであろう.この法律によって,地方に保健局が置かれ,そこに保健医官が雇用されるようになった.
 1872年,政府の欧米視察団の一員としてヨーロッパに渡った長与専斎は,『松香私志』の中で次のように述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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