icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 保健予防活動—保健所の戦術と戦略

精神保健事業—文京区における5年間の全ケースの分析を通して

著者: 佐々木昭子1 元永拓郎2

所属機関: 1文京区小石川保健所保健課 2東京大学医学部保健学科精神衛生学教室

ページ範囲:P.243 - P.247

文献購入ページに移動
■はじめに
 文京区では昭和62年度医学技術協力研究として,東京大学医学部保健学科精神衛生学教室との共同で,保健所における精神保健活動の全体像の統計的検討を行った.保健所に持ち込まれる問題は多様であり,その対応も事例に応じてさまざまである.本研究の目的は全体としてどのような相談が,どのような経過を経て保健所に持ち込まれ,保健所がどのように対応したかを検討することにより,保健所の精神保健活動の実態を明らかにし,将来の方向性を見出すためのものである.
 文京区は人口18.7万人で二つの保健所,小石川保健所(管内人口10.3万人)と本郷保健所(管内人口8.4万人)がある.保健婦数は各々10人,9人の計19人であり,1保健婦当たり住民約1万人である.文京区の老人人口は13.1%(昭和63年1月1日現在)で全国平均,都平均を上回り,高齢者対策が区の重要課題であり,保健所の事業も節目健診をはじめ,老人保健法関連の事業が大きな比重を占めている.精神保健事業としては各保健所で,月2回の精神科医による定期精神保健相談と年1回の精神保健講演会を行っており,平成元年度より本郷保健所で社会復帰事業(デイケア)を開設する予定である.保健婦の全訪問件数に占める精神保健訪問件数は10.7%,所内面接や電話・手紙等を含めた全相談件数に占める精神保健相談件数は20.3%である(昭和62年度実績).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら