文献詳細
文献概要
発言あり 地球とオゾン
文明社会への警告と自戒をこめて,他
著者: 佐野晴洋1
所属機関: 1滋賀医科大学
ページ範囲:P.361 - P.363
文献購入ページに移動ところが全く厄介な問題が起こり始めたのである.フロン類は揮発性が高いため容易に大気中に放出され地球の対流圏(地上から20km以内)ではほとんど分解されずそのまま成層圏に達し,そこで太陽からの紫外線により分解し,フロンに含まれる塩素原子が放出される.塩素原子1個が成層圏にあるオゾン層(地上20〜40km,特に25km付近で最も濃度が高い)のオゾン10000個を連鎖反応的に破壊し,その結果として地表に到達する有害な紫外線量が増加し(オゾン濃度が1%減少すると,地表に達する紫外線量は平均2%増加する),人の皮膚がんの発生率を高め,動植物の生態系にも大きな影響を与える.
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