文献詳細
文献概要
事例からみる保健相談
痛風会における予防意識の形成
著者: 熊谷勝子1
所属機関: 1長野県松川町役場住民課
ページ範囲:P.566 - P.567
文献購入ページに移動Mさん(30代)との出会いも同様であった.昭和45年の健診結果で,尿酸値9.7,訪問したい旨を電話すると,「元気で酒も飲めるし,仕事もできる.訪問してくれなくてもいい」との返事.その後,日常の忙しさにMさんのことは忘れていたが,昭和59年早々にMさんの妻が来庁し,「やっぱり保健婦さんのいう通り痛風発作がでた」と相談があった.経過をきくと,発作の前に尿酸結石も体験していたが,高尿酸との関連があるとは気づいていない.同じ頃,Mさんと同集落・同世代のHさんが,健診結果を受け取りにきた時,「尿酸値にH印(正常値より高い印)がついているが,この印は何か」と疑問を持った.痛風のことを説明すると,同じ症状がすでにあるという.でもねんざかと思って整骨院へ通院していると語ってくれた.「知らんということはこんなもんか」と彼は大笑いしたあと,「俺ばっかじゃない」と保健婦と学習体験を持つ彼は,学習会の必要性を感じたという.そこでMさんやHさんと相談し,健診結果から60名の対象者を選び,通知を出した.
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