icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生53巻9号

1989年09月発行

文献概要

統計のページ

病気の姿をデータで読む(3)—感染症と戦後の総死亡

著者: 倉科周介1

所属機関: 1東京都立衛生研究所環境保健部

ページ範囲:P.644 - P.646

文献購入ページに移動
 抗生物質の登場は,医療の需給構造を一変させた.
 それまでは,純然たる細菌感染症はもちろんのこと,一応は,細菌感染を主病像としない疾患でも,感染が予後を大きく左右していた.その脅威が一朝にして雲散霧消したのである.その結果,初期死と前期途中死が激減し,逆に終末死が増加するに至った経過は前回説明した.早い話が,細菌感染症では人は死ななくなったように見える.だが,感染症というものは,十把一括げにして忘れてしまってよい問題では決してない.それについては,別に触れる機会もあろう.ここでは本論に入る前に,抗生物質登場による疾病像の変貌を象徴する感染症の衰退について,手短かに触れておく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら