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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻10号

1990年10月発行

文献概要

特集 突然死の現状と予防

突然死の発生頻度とリスク—生前の健康状態

著者: 的場梁次12 藤谷登1 四方一郎2

所属機関: 1佐賀医科大学法医学教室 2大阪府監察医事務所

ページ範囲:P.662 - P.666

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■はじめに
 突然死の調査や研究は,諸外国をはじめ本邦でも以前より精力的に行われているが,最近は“過労死”の問題も含めて社会的にも注目されるようになってきている.さて,この突然死であるが,一般には致命的な発症から死亡までの時間が非常に短いものとされ,昭和60年に発足した国立循環器病センター委託研究「突然死の調査研究班」においては,発症から24時間以内の死亡と定義されている1).さらにこれに加えて,予期されない(unexpected)死という概念が入っていると考えられている.すなわち,外見的には健康で元気そうな人が急に倒れたり,あるいは疾患があっても死ぬとは思われない人たちがある日突然に倒れ,死亡するものである.このような突然死の犠牲者たちはしばしば中高年の働き盛りであり,残された家族に対しても,あるいは社会的にも影響が大きい.この突然死に,仕事上のいろいろなストレスなどが影響しているのではないかということか最近問題になり,マスコミをはじめとして世間に注目されるようになったものが,いわゆる過労死である.また,青少年層の突然死はスポーツ中に発生することが多いので,学校や体育関係者に与える影響も大きく,乳幼児の突然死はしばしば窒息死の疑いにより,法的な責任が生じることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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